東京藝術大学と浦安市は、相互の連携・協力により、「浦安アートプロジェクト『浦安藝大』」を2023年度から本格的に始動させます。
浦安藝大では、浦安市民とともに同市の地域や社会の課題を解決するきっかけづくりとして、さまざまなアートを実践していきます。
そもそもアートとは何だろう?一人ひとりの中にある「?」を大切に、分からないこと、分かり合えないこともありのままに共有し、楽しみ・学び合う場を創っていきます。
このプロジェクトは、2022年度よりキックオフイベントや市民参加型ワークショップなどを実施してきました。
本年度は、高齢化や防災、潜在する地域課題に新しいアプローチを行うプログラム、多様な価値観を認め共生できる社会を推進する海外交流プログラム、まちなかでの展示、シンポジウムなどを行います。
「浦安アートプロジェクト『浦安藝大』」の概要
場所:浦安市内各所 ほか
期間:2023年4月~2024年3月
主催:浦安市、東京藝術大学
※浦安市市政施行40周年記念事業、令和5年度 文化庁 文化芸術創造拠点形成事業、千葉県生誕150周年記念事業、共生社会をつくるアートコミュニケーション共創拠点
参加アーティストについて
※五十音順
五十嵐 靖晃(アーティスト)
樫村 芙実+樫村研究室(建築家)
KITA(日本とインドネシアのアート・コレクティブ)
西尾 美也(美術家)
これまで国内外で様々な地域の人と協働し活動を展開してきた藝大教員と卒業生を含むアーティストが、浦安市でのリサーチや、浦安市民との活動を継続的に実践しながら、独自の視点で地域の課題解決につながる糸口を探ります。
また、これまで藝大で取り組んできた「TURN(ターン)」とも連携し、浦安市に海外アーティストを招聘する交流プログラムも展開予定です。
※上記のアーティストの他、プログラムには多数のアーティストや専門家が参加予定です。
※各プログラムの詳細は、浦安藝大公式ウェブサイトで随時お知らせします。(8月下旬開設予定)
2022年度の取り組み
キックオフイベント トークセッション 「内田市長、日比野学長、これから何がはじまるんですか?」
市民参加型ワークショップ 「『ポンプ場』から浦安の未来を創造してみよう」
参加アーティストのプロフィール
(五十音順)
五十嵐 靖晃(いがらし やすあき) |アーティスト
1978 年千葉県生まれ。東京藝術大学大学院美術研究科修士課程修了。
人々との協働を通じて、その土地の暮らしと自然とを美しく接続させ、景色をつくり変えるような表現活動を各地で展開。アートとは自然と人間の関わりの術であり、この時代、多様な人々をつなげるものとしてあると考える。
2005年にヨットで日本からミクロネシアまで約 4000 kmを航海した経験から “海からの視座” を活動の根底とする。
代表的なプロジェクトは、樟の杜を舞台に千年続くアートプロジェクトを目指す《くすかき》(福岡県、太宰府天満宮/2010 ~)、漁師らと共に漁網を空に向かって編み上げ土地の風景をつかまえる《そらあみ》(瀬戸内国際芸術祭/2013、2016、2019)、南極にて子午線を糸に見立て世界各地の人と組んだ紐で共に凧を揚げる《時を束ねる》(南極ビエンナーレ/2017)、古くから伝わる民間信仰をアート作品として再構築し後世に受け継いでいくことを目指す《海渡り》(熊本県、つなぎ美術館/2021 ~)など。
樫村 芙実(かしむら ふみ)+樫村研究室 |建築家
樫村 芙実(中央):1983年横浜生まれ。東京藝術大学大学院美術研究科修士課程修了。
2011 年 TERRAIN architects を共同設立、ウガンダを中心にアフリカと日本の建築プロジェクトに携わる。現在、東京藝術大学美術学部建築科准教授。
蓮溪 芳仁(はすたに よしひと)(上左):1997年滋賀生まれ。
東京藝術大学大学院美術研究科修士課程修了。本チームのプロジェクトアシスタントを担当。
樫村芙実研究室:2019年より活動を開始。多くのプロジェクトにおいて、アフリカ/ウガンダの教育機関、実務者とコラボレーションしている。
主な作品は《Stall in Crowd/人混みの中の小さな構造物》(2020、ナカセロ・アメ横)《Mobile Money Kiosk/街角の小さな公共》(2021、カンパラ・西日暮里)、《Gate Keeper’s House》(2022年、ルボワ・松戸)。2019年には SDGs×Arts 展に参加。大学院1年生:阿部 朔太(あべ さくた)・長谷 果奈(ながたに かな)・山田 楽々(やまだ らら)を中心に活動。
KITA(きた) |アート・コレクティブ
日本とインドネシアを拠点とするメンバーによって、2022年に結成された拡張するアート・コ レクティブ。
インドネシア語で「わたしたち」を意味する言葉=Kitaを手がかりに、人びとを招き入れていく彼らの活動は「だれがKITAか」を曖昧にし、芸術の主体について問いなおす。
言語や文化、ジャンルの境界線を越えて交わされるコミュニケーションから、祝祭的なプロジェクトや作品だけでなく生活空間で用いる実用品も生み出している。
KITAは、こうした活動をとおして、中心メンバーを含めた関わる人びとの生を有機的に編み直し、現代社会の環境下における、新しい「わたしたち」のありかを探す。
西尾 美也(にしお よしなり) |美術家
1982年奈良県生まれ。東京藝術大学大学院美術研究科博士後期課程修了。博士(美術)。文化庁新進芸術家海外研修員、奈良県立大学地域創造学部准教授などを経て、現在、東京藝術大学美術学部先端芸術表現科准教授。
装いの行為とコミュニケーションの関係性に着目したプロジェクトを国内外で展開。ファッションブランド「NISHINARI YOSHIO」を手がける。
近年は「学び合いとしてのアート」をテーマに、様々なアートプロジェクトやキュレトリアルワークを通して、アートが社会に果たす役割について実践的に探究している。
共著に『拡張するイメージ』(亜紀書房、2023年)、『ケアとアートの教室』(左右社、2022年)などがある。
お問い合わせ
浦安藝大事務局 電話番号:080-7356-1906(11:00~17:00)※土日祝日を除く