普段何気なく食べている「シーフード」。これって、どこで、どのように獲れたものなのか、どのように養殖されたものなのか、気になった事はありませんか。今、新しい安心安全と呼ばれる、「サステナブル・シーフード」が注目されています。有名ホテルチェーンである「ヒルトン」は、いち早く「サステナブル・シーフード」に注目し、持続可能な食の提供を目指しています。
その「シーフード」どこで、どのように獲れたものが知ってますか
もしこんなシーフードを食べていたら
普段、それほど気にせずに食べている「シーフード」、たくさんありますよね。これって、どこでどのように獲れたものなのか、もしくは、養殖されたものなら、どのように養殖されたものかのか、気になった事はないでしょうか。
もし、普段口にしている「シーフード」が以下のようなものだったら、どんな気分でしょうか。
- 資源が枯渇して、いずれ獲れなくなる事を知りながら、乱獲されたもの
- 協定などを守らず、違法な操業によって獲られたもの
- 完全管理などが不適切で、口にするのが安心とは言えない養殖によるもの
- 劣悪な環境や、違法な労働力により獲られたもの
あまり、いい気分ではないですよね。そもそも養殖によるシーフードなどは、口にする際の安全性など、我々の健康に直結するような問題も抱えています。また乱獲などは、海洋資源の枯渇に関わり、長い目で見ると、我々消費者がその「シーフード」が食べられなくなったり、価格が異常に高くなるなどの、直接的な不利益が生じる恐れもあります。
そこで「シーフード」に関しても、「安心・安全」なものを選んで食べる事が、今注目されているわけです。これを「シーフード」の「新しい安心・安全」とも呼ばれています。
具体的に、どんな「シーフード」を選べば「安心・安全」なのでしょうか。
ASC認証とは
水産養殖管理協議会(ASC)と呼ばれる、国際的な非営利団体が、「責任ある養殖により生産された水産物」へ「ASC認証」というものを与えています。具体的には、以下のような基準を満たした海産物に認証を与えています。
ASCの7原則
- 国および地域の法律および規制への準拠
- 自然生息地、地域の生物多様性および生態系の保全
- 野生個体群の多様性の維持
- 水資源および水質の保全
- 飼料およびその他の資源の責任ある利用
- 適切な魚病管理、抗生物質や化学物質の管理と責任ある使用
- 地域社会に対する責任と適切な労働環境
このようなラベルを見た事はないでしょうか。これはスーパーマーケットで普通に売られている養殖の牡蠣につけられた「ASC認証」のラベルで、これが、ASC(水産養殖管理協議会)の国際基準を満たした安心・安全な「シーフード」であることがわかります。
MSC認証とは
一方、養殖ではなく、漁業で獲られた「シーフード」に関しては「MSC認証」という規格があります。
MSCとは、海洋管理協議会という、国際的な非営利団体で、規格に適合した漁業で獲られた持続可能な水産物に「MSC認証」ラベルを与えています。具体的な認証の原則は以下のとおりです。
MSC漁業認証
各方面のステークホルダーとの協議を経て作成されたMSC漁業認証規格に基づき、独立した審査機関が漁業を審査します。審査は以下のMSC漁業認証規格の3つの原則に基づきます。
原則1:資源の持続可能性
原則2:漁業が生態系に与える影響
原則3:漁業の管理システム
「ASC認証」と同様ですが、スーパーで売られているシーフードにも、このような「MSC認証」がつけられたものが販売されています。
新しい「安心・安全」なシーフードの提供を目指す「ヒルトン」
普段の食卓に関しては、このようなラベルのつけられた「シーフード」を利用することで、「新しい安心・安全」な食事をすることができますが、外食の場合はどうなのでしょうか。
今回の主題でもある、大手ホテルチェーンの「ヒルトン」では、このような状況に対応して、ホテルとして、安心・安全なシーフードを提供しようという、様々な活動をされています。こうした試みは、消費者へ供給する「食」自体の安全性を確保するだけでなく、企業として「持続可能な」シーフードを使うことで、食自体を「持続可能に」「安定的に」供給する事ができ、また、「安心・安全」な食事が取れる「ホテル」としてのイメージアップにもつながっていきます。
サステナブル・シーフード調達の為の覚書を締結
「ヒルトン」では、この持続可能な「シーフード」、いわゆる「サステナブル・シーフード」を安定的に調達するために、サスティナブル・シーフードのマッチングビジネスを行なっている「シーフードレガシー」「UMITO Partners」の2社と覚書の締結を行いました。
覚書の締結を発表する株式会社シーフードレガシー 代表取締役社長 花岡 和佳男(左)、 ヒルトン 日本・韓国・ミクロネシア地区 代表 ティモシー・ソーパー(中央)と株式会社UMITO Partners 代表取締役社長 村上 春二(右)
「ヒルトン」の広報によりますと、今回の覚書締結について以下のように発表されています。
ヒルトン、シーフードレガシー、UMITO Partnersが覚書締結
サステナブル・シーフード調達を通じて持続可能性の向上を目指す
ヒルトン 日本・韓国・ミクロネシア地区、 株式会社シーフードレガシーおよび株式会社UMITO Partnersは、 2021年10月27日、 サステナブル・シーフード調達を通じて持続可能性の向上を目指すための協働パートナーシップに関する覚書を締結したことを発表しました。
この覚書は、 ヒルトン 日本・韓国・ミクロネシア地区におけるサステナブル・シーフードの調達目標の実現や促進を通じて、 日本国内を筆頭に各地域の生産現場および海洋環境の持続可能性の向上を目的とするものです。
ヒルトンは、 調達したいMSC(Marine Stewardship Council: 海洋管理協議会)およびASC(Aquaculture Stewardship Council: 水産養殖管理協議会)(*1)認証水産物、 これらの認証取得を目指す漁業・養殖産業改善プロジェクト(FIP/AIP(*2))水産物に関する商品情報などをシーフードレガシーに共有します。
シーフードレガシーは、 これらの水産物をヒルトンに紹介したり、 ヒルトンが調達したい商品企画などの情報を適切なサプライヤーに共有したりするなど、 情報基幹の役割を果たします。
UMITO PartnersはヒルトンやシーフードレガシーがFIP・AIPを通してサステナビリティの向上に取り組んでいる漁業や養殖業などの生産現場を訪問したい場合、 協議の上実現できるよう協力し、 サステナブル・シーフードにおける生産現場の情勢・動向について必要に応じ情報共有を行います。
*1: MSC認証:MSC(海洋管理協議会)が管理・推進する国際的な認証制度。 水産資源と環境に配慮し、 適切に管理された持続可能な漁業に対する「MSC漁業認証」と、 サプライチェーンにおいて認証水産物と非認証水産物が混ざることを防ぐとともに、 トレーサビリティの確保を確実にするための「MSC CoC認証」から成る。
ASC認証:ASC(水産養殖管理協議会)が運営する養殖水産物の認証制度。 養殖水産物が社会的、 環境的要素に配慮し、 責任ある方法で育てられ、 生産されたことを証明する。
*2: 海の環境を守り、 水産資源を増やし、 持続可能な漁業を目指す国際的なプロジェクト。 FIP(Fisheries Improvement Project:漁業改善プロジェクト<天然の水産物>)、 AIP(Aquaculture Improvement Project:養殖漁業改善プロジェクト<養殖漁の水産物>)
社内コンテスト、ヒルトン「F&Bマスターズ 2021」でもテーマに
また、 覚書を締結した会場のヒルトン東京ベイでは、 2021年10月26日(火)・27日(水)の2日間にわたり、 ヒルトン「F&Bマスターズ 2021」 日本決勝大会が開催されました。
アジア太平洋地域で開始し、 日本で今年6回目の開催となる「F&Bマスターズ」は、 所属する部署を問わずヒルトンの全チームメンバー(総料理長、 料理長、 ペイストリーシェフなど一部を除く従業員)を対象とした料理・飲料の知識、 技術と創造性を競う大会です。
この大会においても、 サステナビリティをテーマとしており、 可能な限りサステナブル・シーフードを取り入れることを推奨しています。
「ヒルトン」で、こんな安心・安全メニューが楽しめるかも
10月27日のプレス向け「サステナブル・シーフードにおける協業パートナーシップ覚書締結式」では、「サスティナブル・シーフード」を使った数々のメニューが披露されました。すぐにこのメニューがレストランに並ぶ訳ではありませんが、今後「ヒルトン」のレストランにこうしたメニューが並ぶ日がくるかと思います。
オマール海老、帆立、サーモンのテリーヌ シャンパンソース
ほうれん草で巻いたオマール海老を、サーモンと帆立の美しい2色のテリーヌで包んでいます。シャンパンビネガーとハーブのソース添え。
スパイス香るオマール海老の串焼き
ケイジャンスパイスとオリーブオイルでマリネした オマール海老と野菜をグリル。パンチェッタの塩気と、スパイシーな香りが食欲をそそります。
海老と帆立のサルティンボッカ ペストソース添え
ローストした海老と、グリルした帆立を生ハムで巻き、バジルソースが添えられています。お肉に代えてサステナブル・シーフードを使用し、サルティンボッカ風に仕上がっています。
ノルウェーサーモンのパスタ 金山寺味噌クリームソース
ガーリックで炒めた帆立貝と、香ばしくグリルしたノルウェーサーモンが、フュメ・ド・ポワソンと金
山寺味噌を合わせた濃厚なクリームソースによく合います。
木更津産サーモンのマリネディルマスタードソース ランプフィッシュ キャビアを添えて
鮮度のよい千葉県木更津産の生サーモン「おかそだち」をディルやレモンでマリネ 。ランプフィッシュキャビアと、オレンジ香るこだわりのマスタードソースをご用意。
「サステナブル・シーフード」を使ったメニューの数々、いかがでしたか。どれも「サステナブル」を意識していないメニューとの違いが分かりません。どれも美味しく早くホテルのメニューとして味わいたい逸品ばかりでした。
「サステナブル・シーフード」と聞くと、難しく聞こえますが、スーパーで「ASC認証」や「MSC認証」食材を選ぶだけとか、認証を受けている「ホテル」で食事を取るなどの、ちょっとした工夫だけで、「安心・安全」なシーフードが頂ける訳です。今日から、ちょっと気にして「シーフード」を選んでみませんか。
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ヒルトンについて
ヒルトンは、 世界122の国と地域に6,700軒以上(100万室以上)のホテルを展開しているホスピタリティ業界のグローバルリーダーです。 ヒルトンは、 世界で最もおもてなしの心に溢れた企業であることをミッションに掲げ、 これまで100年以上の歴史で30億人を超えるお客様をお迎えしました。
「2020年版 働きがいのあるグローバル企業 世界ランキング」の上位企業として選ばれ、 世界有数のESG(環境、 社会、 ガバナンス)投資指標である「ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インデックス」で2020年世界的業界リーダーにも選出されました。 2020年には、 新たな衛生・消毒基準である「ヒルトン・クリーンステイ」を策定し、 全世界のホテルで導入しました。
また、 現在、 18のグローバル・ブランド・ポートフォリオを展開しています(日本では、 コンラッド・ホテルズ&リゾーツ、 ヒルトン・ホテルズ&リゾーツ、 ダブルツリーbyヒルトン、 キュリオ・コレクションbyヒルトン、 LXRホテルズ&リゾーツの5ブランド・18軒のホテルを展開)。
また、 受賞歴を誇るゲスト・ロイヤルティ・プログラム「ヒルトン・オナーズ」の会員数は約1億2300万人を有し、 ヒルトンの公式予約チャネル経由で直接予約したヒルトン・オナーズ会員は、 宿泊や体験などに交換できるポイントを獲得することができます。
また、 無料のヒルトン・オナーズ・アプリから客室の選択、 デジタル・チェックイン、 デジタル・キー(日本国内では一部のホテルではデジタル・キーは未導入)をご利用いただけます。
株式会社シーフードレガシーについて
シーフードレガシーは、 社会・経済・環境におけるサステナビリティを念頭に、 海と人をつなぐ象徴としての水産物(シーフード)を豊かな状態で未来世代に継ぐ(レガシー)ことを目指すソーシャル・ベンチャーです。 世界を網羅する幅広いネットワークや専門知識を活かし、 国内外の水産企業、 NGO、 政府等と協働して日本の水産業に適した解決策を描きます。
株式会社UMITO Partnersについて
株式会社UMITO Partnersは「100年後も続く漁業と地域を目指した事業の創出と伴走」をパーパスに活動するコンサルティング会社です。 課題を抱える生産現場や地域社会に寄り添い現場目線の解決策を生産現場・シェフ・地域行政・企業と共に描き「ウミとヒトが豊かな社会」の実現に伴走します。
ヒルトン東京ベイについて
東京湾に面したヒルトン東京ベイは、東京ディズニーリゾート(R)のオフィシャルホテルです。都心からわずか30分あまり、リムジンバスで成田空港から約60分、および羽田空港からは約50分という大変便利なロケーションにあります。
828室の客室は、広大な東京湾に面したオーシャン側と、東京ディズニーランド(R)や東京ディズニーシー(R)を目の前にしたパーク側にあり、いずれも窓の外には素晴らしい景観が広がります。ファミリー向けの客室から、モダンでスタイリッシュな客室まで、多様なタイプの部屋が揃っています。
キッズ向けの朝食コーナーや遊び場など、お子様連れのゲストに喜ばれる施設やサービスも充実しています。館内には、5つのレストラン&バー、2つの大宴会場と、14の中小宴会場があり、ビジネスやレジャーなど、あらゆる用途に適応可能です
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